大神社展に行ってきました。
様々な国宝や重要文化財を見ることが出来ました。
全国各地の神社から集められたものが多数展示されていましたが
その中に自分には身近な神社もあって驚きました。
特に宗像大社は自分も弟妹も七五三をしたり、父母の車の
交通安全の御守りはいつもここだったので、ちょっと大きめの
交通安全の神社くらいにしか思ってませんでしたよ。
ごめんなさい。
あと仕事でよく立ち寄っていた宇佐とか。
小さな駅ですが駅名に「USA」と書いてあります。
たしか駅が神社風だったような。
私は大学の専攻も法律で歴史には疎いので単純に自分が良かった!と
思うものをツラツラ上げていきます。
良かったのはまずこれ。
「北野天神縁起絵巻」
事前準備しないで見に行ったので見れるとは思わなくて驚きました。
実際見てみると細かい描き込みがどれも表情豊かで大変可愛らしい。
驚いてる顔の人とかじゃれてるおっさん達等など沢山の人が
描かれていてなんというか・・・そうウォーリー状態です。
中心になるはずの一番偉い人は袖だけだし、随身も好き勝手な
方向見てたりと個性満載。
このごちゃごちゃ感がとても日本っぽいなと思いました。
雑多としてどこが中心かよく分からない感。
次の巻では打って変わって天人が楽に興じている場面。
ですが左下の天神がちょっと違うのですよ。
なんと「天人五衰」が描かれています。
日本の天人は不老不死ではなくて寿命があるのですが
その予兆が「五衰」。
衣が薄汚れ、顔も薄茶色で老人っぽく描かれています。
これを見れただけでも私はここに来て良かったと思いました。
他には・・・室町時代の写しですが「日本書紀」と「古事記」。
名前は知ってても実物見たことないし、内容もなんとなくしか知らないし
受験日本史程度の人間からすると日本最古の歴史書(写し)が
存在するだけで驚異ではないですか。
頭で理解していても実物を見るのとは全然違います。
それが一掃されるくらい最も強烈だった展示品はこちらです。
「後鳥羽天皇宸翰御手印置文」
巻物の中央に両手のひらで朱印が押されていてかなり怖いです。
写真だと色あせた感じですが実物は結構はっきりとした朱色です。
でもこれを見たときにはっとしたというか、確かにこの時代に
その人は生きていて生活していたのだなとすごく実感しました。
ああ、書物の中の登場人物(作品)ではないんだなと。
よく分かりませんがこれって遺書みたいなもんですよね?
指とかほっそりしている割に意外と力強くバシッと思い切り
押されていて鮮烈に記憶に残りました。
どういう意図でこんな朱印押したのかなんて全く分からんけれども
ただなんとなくですが、この人は遣り残したことがいっぱいあって
ひたすらに無念だったのだろうななどと思いました。
だって今わの際にこんな強烈なの残そうと思います?
片手だって強烈なのに両手ですよ?
満足して「ああいい人生だった・・・」という人がこういう形で遺書を
残すだろうかと考えるとね。
他にも沢山見所はありましたよ。
春日神鹿御正体
これはタブーなのかもしれないけど全体的に日本のご神体って
バランスが変(大変失礼)じゃないですか。
4.5頭身でやたら頭が大きかったりするかと思えば顔だけ精緻に
作りこんでて脚は以下略!みたいな雑な感じがやたら多いですし。
バランスがよければいいわけじゃないですがそのアンバランスさが
日本のご神体らしさなのかと思ってました。
ですが!これは現代で見ても全然見劣りしないというか、とても
綺麗な鹿なんですよね。
日本っぽい変なデフォルメもなくて現代でも違和感なく見れる鹿。
愛らしいバンビ。
なんですけど。
不思議なことにその背中に生えた木?が完全2次元なんですよね。
これだけ立体的なしっかり3次元の鹿なのになぜこの木だけは
平面的なのか。
鹿がこれだけ立体的に作れるなら技術的には奥行きのある
現代的な木が作れたんじゃないの?なんで?と不思議です。
あと他には太刀ですね!
私は剣道と居合いもやってたので刃物が好きなのです。
装飾がすばらしい。
他には・・・安徳天皇の産着とか。
すごいちっちゃいの。
北条政子の螺鈿の箱とかはイマイチピンと来ないというか
へーと思うだけで終わるけどこういった実用的なものは
確かにその時代に生きてた人が居たことを感じる気がします。
男性は和服で女性は唐服で描かれているものなんかはその時代の
オサレが唐風か、単に唐服萌えかしらなどと周りが真面目に
見ておられる中で一人邪なことを考えたりしてました。
前半に展示されていた七支刀はオタク的には
ぜひとも押さえたかったけれど、今回めったに見れない
「北野天神縁起絵巻」が見れたので満足です。
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